朝 英語クラスに来られたTさんが
「今日も息子が学校に行きたくない って言い出して。。。
1年前だったら 朝 そう言われただけで
もう気が上がってしまって
[今日は私 英語クラスお休みします]って言ってたと思うけど
最近は ま いいか って置いて出かけられるようになりました〜」
と苦笑しました
私が「(息子の)Ko君は今 何をしているの?」と問うと
Tさんは「よくわからないけど Netflixでしか観られない動画を
ず〜〜〜っと観てるんです」
それを観たいがために Netflixの契約料金を
Ko君は家のお手伝いをし
自分で賄っているというのだから すごい
それで「Ko君は そんなに熱心に何を観ているの?」と問うと
彼女は「ウルトラマンとか 仮面ライダーとか MARVELとかみたいです」
ん?? ウルトラマン 仮面ライダー MARVEL・・・
どこかで聞いたことあるぞ このラインナップ
そういうのが大好きなひとが 一人教室にいる・・・
そう思いながら話を聴いていると
(息子の)Koは 学校でその話をできる友だちがほとんどなくて
それがとってもつまらないって言ってますけどね
私が「その話題なら ぜひ話したい!っていうひとが教室にいるの
海外の学校に行っているから
余計に話が合う人がいな〜い!って ずっと嘆いている
そういえば今日の午後 彼(Ke)と英語のクラスがあるけど
Ko君も そんな話をだれかとしたいかなぁ どうだろう
Keにその気があるかどうか 訊いてみましょうか」と
Tさんに問うと「ぜひ!」ということだったので
彼女との英語クラスを終えて さっそくKeをLINEで呼んでみました
もしもし
___ あ あれ? どうしたんスか 1時半からッスよね 今日?
うん あのね Keにお願いしたいことがあって
事前に呼んでみたんだけど
___ あぁ はい
教室に来ているお母さんの息子さんにね
中学2年生なんだけど ウルトラマンと
___ お!
仮面ライダーと
____お!
マーベルの作品が大好きな子がいるんだけど
___ ヤルじゃないッスか!
そうなんだね!
___ うん!
でね その話題を話せる相手がいないんだって
___ だろ〜な〜
でね
___ もうわかりましたよ
なにが?
___ オレにその子としゃべれって言うんでしょ
しゃべれ とは言ってないよ いつもウルトラマンLOVEを
話す相手がいなくて って言ってたじゃん
だから もし君がそういう相手がいたらいいな と思うなら
君の英語の時間の前に 彼を呼び出すから
「話さない?」
とか 話をもっていってくれるといいな〜 と思って
___ いいッスよ
あ でも お母さんの話だと Ko君は
初めての人と話すのは好きじゃないから もしかしたら
顔を出さないかも知れない って言ってた
___ あぁ じゃ オレが自己紹介みたいにして
話してみればいいってことッスね
うん そういうことなんだけど いいかな
___ おっけッス
そんな事前のやりとりがあり
時間になったのでTさんをLINEで呼び出すと
画面にはお母さんの隣にすでに息子のKo君が座っていました
こちらと4時間の時差があるところで暮らしているKeも現れました
Tさんが気を利かせて「お母さん ご飯作るから」と席を離れたので
私もKeにその場を頼んで 教室を出て台所に移動しました
Keは戸惑いながらも 私との打ち合わせの意を汲んで
おもむろにKo君に話しかけたようでしたが
そのうちに どちらがどちらとわからないけれど
とても興奮して語らっている声がドア越しに洩れてきました
事務作業をしていた私が 途中必要な物を取りに
教室に入っていくと
そぉんなに〜〜!? というほど
いつもは静かな教室が PC越しに発せられた二人の熱気で溢れていました
「わ〜 オレ めっちゃうれしいわ
すぐには帰れないけど コロナでしょ
でも東京に帰ったら映画館とか行かない?」と
その気持ちを素直に言葉で表すKeに対して
「いいですよ」とKoの快諾
そもそも Keの英語のクラスの時間だったので
これからウルトラマンLOVE 仮面ライダーLOVE 話そうね
LINEのID 後で送るね
「お楽しみはこれからだ」程度の話 と思っていましたが
二人が余りに楽しそうだったので 好きなだけ話をさせたくなりました
Keは今年選挙権を得ました
KoもKe きっと今までに何度も もう幼稚園じゃ無いんだから あるいは
中学生じゃないんだから いつまでもウルトラマンじゃないでしょ
と言われてきたはずです
私の教室がある街には かつて円谷プロダクションが本社を構え
ウルトラマンの撮影所だった東宝のスタジオがあり
「特撮の神様」円谷英二氏も暮らしていた ということで
時折 オトナもコドモも興奮を抑えつつ あるいは露わに
像といっしょにシャメを撮っている光景に出会います
でも たいていの子どもは
その「好き」はもう卒業でしょ と非難され
自分の大好きなことを泣く泣く諦め
好きでも無いことに自分を無理に向けようとしたりするものです
『星の王子さま』に出てくるパイロットが
ゾウを呑み込んだウワバミの絵をわくわくしながら描き
「こわくない?」とオトナに見せたら
「なんで帽子がこわいんだ?!」と言われ
6歳で絵描きになる夢を諦めたように です
ところが KoとKeはそんなヤワな奴じゃないのです
世間からの決して温かくはない視線に抗して
ウルトラマンLOVE 仮面ライダーLOVEを
ずっと大事に育んでいる強者(つわもの)なのです
私はドア越しに感じられた二人のその深い「愛」に
すっかり感動してしまいました
40分くらいしてKeが呼ぶ声がしたので
教室に入っていくと LINEの画面にKoとKe二人の和らいだ顔
つい半時前までは お互いに存在を知らなかった二人の
興奮の余韻が 画面上に目に見えたような気がしました
早く二人が会って話せるように 一緒に映画を観に行かれるように願っています
ただ
さきほど 二人のことを「ツワモノ」と書きましたが
好きなことを 好きなだけ話す人を「ツワモノ」と
呼ばねばならないようなヨノナカではアカンのです
家庭も含め だれでもが どんなことであれ
安心して自分の思いや考えを話せるようなヨでなければ
アカンのです
その実現へ向けて 1mmでも 1gでも
このココロヱ教室を活用していきます
そ〜れにしても ほんとにうらやましいほど
た〜のしそうだったな〜 あのふたり。。。