一輪の花を見て 感じ 考えること
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香り、緑の長い葉の上に美しい調べを注ぎこんでいるような、小さな白い釣り鐘の花、
それらは、動物でも知覚し得る第一次元のものである。
その上の段階_第二次元_では、思惟が働く。この小さい花は生きている。いのち
とはなんであろうか。この可憐な花一つを開かせるために、それを抱き養っている大地、
活かしている空気、色彩を与える光、四季の移り変わりと天体の流れのリズムなど、何
という神秘的な協力の働きが競い合っていることだろう! 私たちが決して数え切れない
ほどのかかわり合いによって、全宇宙がここで結ばれ、協力しているのだ。
しかし、これらすべての広大な連鎖の歯車は、それ自体自らを見ることはできないもの
である。言い知れぬ魅力をもって私に提供されているこの美は、自分自身と知らない。
私のうちにかくも深い思いを呼び起こしうるものは、それ自身思考を持たない。私の
うちにかくも優しい合いを引きおこすものはそれ自身愛を持たない。この傑作は自分自身
は見えないのである。しかし、これほどにすばらしく造られた被造物は、それを考え
出した方の英知を輝きだしている。ここに神の思いが託身している。この小さい花の上
に造り主の優しさが身をかがめている。神はこの小さいものを愛しておられるのだ。